2010年11月18日

たかがはんだ付け、されどはんだ付け

エフェクターの自作、改造に欠かせない作業のひとつがはんだ付けです。はんだ付けは溶接の一種に分類され、三千年の歴史を持つ非常に奥の深い技術ですが、その手軽さから時として「糊付けに毛の生えたもの」のように扱われてしまうことがあり、悲しい限りです。はんだ付けの作業方法についてはいろんなサイトで取り上げられていますので、ここでは意外と見落とされがちな安全性に配慮し必要なツール類をまとめました。また、はんだそのものについても簡単にまとめました。


ツール類

(1) はんだごて
(2) はんだごて台
(3) 安全めがね
(4) はんだ吸い取り機
(5) ラジオペンチ
(6) ピンセット
(7) ニッパー
(8) ワイヤーストリッパー
(9) 吸煙機

(1) はんだごて

エフェクターの製作をするのであれば、20Wのものと40Wのものと二本あると良いでしょう。これより大きいものだと部品を熱で痛める可能性が出てきます。プロ用のものでこて先の温度を設定できるものがありますが、結構高価です。

(2)はんだごて台

火事や火傷を防ぐため、こて台は必ず使いましょう。選ぶポイントはいかの3つです。
  1) こて先が露出しないもの
  2) こて先クリーニング用に水で湿らせたスポンジを入れる小さいトレイのあるもの
  3) ある程度重量があり、安定性のよいもの

P1000285s.jpg

(3)安全めがね

電子部品のはんだ付けに良く使われる糸はんだは、中心に酸化膜除去用の薬品(フラックス)が入っています。常温ではフラックスもはんだも固体ですが、はんだごてで暖めると、フラックスが先に溶けて、金属表面の酸化膜を還元し、はんだを付きやすくします。このフラックスにまれに水分や気泡が入っていて、はんだごてで暖めたと時にはじけて、はんだが飛ぶ事があります。200度近い溶けたはんだの飛沫が目に入ると、最悪の場合失明してしまいます。従って必ず安全めがねをして目を保護するようにします。

(4)はんだ吸い取り機

はんだ付けした部品を外す時にはんだを除去する必要があります。手軽な除去方法は以下の二つがあります。

  1)ウィック(シールド線の網線のようなもの)をはんだごてで押し当てて毛細管現象ではんだを吸い取る方法
  2)はんだ吸い取り機ではんだを吸い取る方法

筆者はもっぱらはんだ吸い取り機を使っています。電動ポンプ式はさすがに高価ですので手が出ず、注射器にばねがついたような形のもの使ってます。はんだごてではんだを暖めて、溶けたタイミングを見計らってこれで吸い取ります。

 
(5)ラジオペンチ


先がピンセットなみに細いものを使ってます。細い方が使いやすいようです

(6)ピンセット


薬局で売ってるピンセットは先が柔らかく使いにくいので、先が細くて硬いものが良いです

(7)ニッパー


ニッパーが無くてもはさみで代用できなくはないですが、硬いリード線をはさみで切ると刃こぼれします。

P1000287s.jpg

(8)ワイヤーストリッパー


電線の被覆を剥く場合は必ず芯線の太さに合ったストリッパーを使います。そうしないと芯線に傷を付け、後々に断線の原因になります。

(9)吸煙機


はんだ付けする時に必ずフラックスの煙がでます。この煙は体に良くないので、吸わないようにしますが、そうすると息を止めてはんだ付けすることになります。それはそれで、集中力が上がってよいのですが、思わず吸ってしまったり、煙が目に入ったりすることもあるので、吸煙機があると楽です。家庭では煙を室外に排出するような大掛かりなことはできませんので、手元から煙を拡散させ、窓を開けて換気します。

P1000289s.jpg


はんだについて


家庭でエフェクターを月に2〜3個作るのであれば、筆者は鉛フリーはんだの使用はあまり薦めません。理由は、高価なヴィンテージ・パーツを使う場合、これらの部品は鉛フリー対応でない場合が多く、耐熱性が高くないためです。鉛フリーはんだが使われる前に家電製品で一般に使われていたはんだは、錫63%、鉛37%の合金(広義)で、その融点(ゆうてん=溶ける温度)は183℃です。錫そのものの融点は232℃、鉛の融点は327℃ですので、この二つをあわせることで融点を下げてます。一般に6337(ろくさん、さんなな)はんだと呼ばれます。
現在よく使われている鉛フリーはんだは錫96.5% 銀3% 銅0.5%で融点は218℃前後です。この鉛フリーはんだは、6337に比べると硬く、部品同士の熱膨張の差による機械的ストレスを吸収する能力が小さいため、基板のパッドはがれやはんだのひび割れ等、信頼性に若干の懸念があります。メーカーは、パターン設計の工夫や厳格な工程管理を行うことで、6337並みの信頼性を確保しています。大量に出回る工業製品の場合は環境保護の観点から鉛フリーである必要性がありますが、一般の人が趣味で電子工作を行う範囲ではむしろ鉛入りの従来のはんだの方が好都合だと思います。

鉛入り(6337)はんだ
  組成:錫63%、鉛37%
  融点:183℃
  特徴:比較的柔らかく、はんだ接合部の機械的ストレスの吸収性に優れる。
  欠点:鉛に毒性があり、大量に摂取すると人体に悪影響がある

鉛フリー(錫銀銅系)はんだ
  組成:錫96.5% 銀3% 銅0.5%
  融点:218℃前後
  特徴:鉛を含まないため、鉛が原因となる中毒の心配がない
  欠点:鉛入りはんだに比べ硬く、はんだ接合部の機械的ストレスの吸収性にやや劣る。
      融点が高いため部品の耐熱温度に注意する必要がある



 

タグ:はんだ
posted by tzk at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | はんだ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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